現代サッカーでは、「状況判断が優れた」選手の重要性が高まっています。
『状況判断』と言ってもなかなか分かりづらいですが、それは脳の処理速度といえるかもしれません。
サッカーにはその競技を成立させるためのテクニック、勝負という面でのメンタル、そしてアスリートとしてのフィジカルなど様々な要素が含まれますが、『状況判断』そしてそれに関連したプレーというのはコーディネーションや『脳の働き』にも関連します。
数年前から注目を浴びてる『ライフキネティック』。
ドイツ代表やドルトムント時代のクロップ監督が採用したことにより、そのトレーニングの重要性が認知されました。なかなか専門的になるので詳細は別の機会にしますが、視神経から脳の処理のメカニズム、シナプスのこと、そしてライフキネティックが独自に分析したモデルがあります。
簡単に言うと、情報をキャッチする視覚や聴覚、それを脳に送った後の情報処理、そしてそれをシナプスや神経系を通じて身体に情報を伝達させ、それをもとに身体が動くといったプロセスを向上させるためのトレーニングをいえるかもしれません。
実は僕は昨年、その『ライフキネティック』の指導者としてのライセンスを取得しました。
現在日本ではJリーグのジェフユナイテッドがそのスクールを行っています。
内容としては『とても興味深い』ものでした。
しかしそれは、『週に数回しかないサッカーのトレーニング内』に時間を割いてまで取り組むことには疑問がありますが、練習日以外に空いた時間で取り組むなら「有効的」と思えます。
週に3日のトレーニングでは他にやらなければいけないことが有り過ぎますが、練習日以外の空いた時間ではそれをやるのはとても有意義になるかもしれません。
リフティングの練習をチームにのトレーニングに組み込むには時間がもったいないですが、個人では積極的にやってほしいのと同い感覚です。
まだレアッシではほとんど行っていませんが、実は時々、ウォーミングアップなどで『ライフキネティック』の概念を取り入れたものを行っていますが、なかなか面白い結果が見えています。
例えば右から左にボールが動く時、それを眼で追うのですが、ある一定の視野を超えるとボールを捉えるのが右眼から左眼にあるタイミングで移行します。(これはテストをやれば解ります)
その瞬間、そのボールを処理する脳は左から右に切り替わります。
ここでは詳しくは書けませんが、『利き目』というのがあって(これも簡単なテストで解ります)、眼の追随能力などはトレーニングで改善できます。
余談ですが『利き目』によって、学校の授業中に教室の右側に座っているか、左側に座っているかでその子の成績は変わるという面白い実験データもあります。
サッカーとは一見、遠い話のように感じますが、『利き目』や『認知』、『視覚と関連した右脳左脳の切り替え』、『神経系とコーディネーション』など目には見えない『サッカー選手としての能力』として、今後サッカー界で重要な要素になる可能性を持っているかもしれません。