みなさんこんにちは。
今日は「コミュニケーションスキル」ということを考えてみたいと思います。
なぜ、コミュニケーションではなくそこに「スキル」が付け加えられるかというと、それは一つの能力だと考えられるからです。会社でもそうですが、他人と満足のいく意思疎通を図ることは、「社会性」という枠組みの中では当たり前のことですが、それを「スキル」と捉える発想は、現代の社会において未発達な社会人が多いということでクローズアップされているのかもしれません。
この話の延長線上には「ロジカルコミュニケーションスキル」、つまり「論理的に伝達する力」というものにつながるのですが、今回は「論理的な思考」というのは置いておいて、単純に「コミュニケーションスキル」という側面を考えてみました。
集団で一つの目的を達成するために
複数の人がいる環境、例えば一般的な会社、もしくは社交的な場で「この人、コミュニケーションが取れないなあ」と感じたことがある方は多々いるかと思います。その場合、大抵のケースはネガティブな印象です。若手社員を教育する立場なら、古い表現ですが「ホウレンソウ」ができていないと心配になります。
勿論現代では様々なコミュニケートの方法があるのですが、基本的なコミュニケーションが取れないと「社会＝他人が評価する世界」では困難な状況になります。
これは団体競技であるサッカーにも当てはまることです。「集団」で行うということは「個性の違う複数の人間が共通の目的を達成するために力をあわせる」ということが根本にあるのでどうしても「コミュニケーション」が必要になってきます。
※ただし、共同体の中で存在しない場合は例外です。芸術家や哲学者、作家などの表現者は共同体から逸脱することも必要です。
話す機会を作る
選手の中には人前で話すことが苦手な選手、コーチと二人きりでも話すのが苦手な選手がいます。特にジュニア（小学生）年代では顕著です。気持ちは分かります。実は僕自身も「人見知り」するほうなので場面によっては結構緊張します。練習や試合だとよくしゃべっているように見えるかもしれませんが、人前で（特に説明会などがあった場合は）全然だめですね。なので、選手の気持ちはよく分かります。
しかし、やはりそれもトレーニングが必要です。
クラブではそのような機会をできるだけ多く設けるようにしており、例えば練習前の選手との雑談だったり、練習後に「今日何を学んだか」を質問したり、動画のインタビューなどもそれにあたります。
そういうことが苦手な選手に「じゃべってもらう」のは結構大変ですが、こちらも根気強くやっています。僕の場合、自分自身がかなり変なキャラクターを演じることもありますが、どうにかこうにか「言葉を引き出す」ことに必死なので家に帰って恥ずかしくなったりもしますが（笑）
「選手が発話」する場合、まずは「質より量」が大事で、ここはとても重要なポイントとなります。量をこなすことでその後に質を求めてゆく過程が必要でその逆はありません。まずはどんなことでもいいので「何か言葉を発する」ことに重点を置いています。それに慣れてきたら次のステップに進むのです。
間接的スキルの重要性
大事なのはまずは発言が適切かということではなく、人前で自分の意見を堂々と言えるかということがポイントになります。また、別の機会に書きたいと思いますが、サッカーに必要な「スキル」には「直接的スキル」と「間接的スキル」というものがあります。
直接的とは「サッカーそのものに関するもの」、例えば「ボールを扱うテクニック」などは、サッカーというスポーツにしか関連しないスキルです。それとは別に「間接的スキル」とは「サッカーにも必要だけど、それ以外の分野でも必要となるスキル」と考えることができます。
「コミュニケーションスキル」はその代表例で、「サッカー選手としても必要だけど、それ以外の分野でも必要なスキル」と考えることができます。つまり、サッカーを通じて「間接的なスキル」を学ぶことは、サッカーを辞めた後でも役に立つというものです。
ではそのような「間接的なスキル」が社会人になって急に身につくものかというと疑問が残ります。どのような能力も差はあれど幼少期から教育する中で獲得して行くものです。
その時はできなくても、そのベース（花に水をやる段階）を育てる時に、しっかりと意識して取り組む必要があると思います。
