一矢報いる 〜オーストラリア・シャークス戦〜 Alevin B(U-10)

国際大会MIC、予選リーグ2日目。

Alevin B(U-10)チームは昨日に地元の強豪クラブ・マンレサに大敗したので今日の2戦はなんとか勝ち点が欲しい試合です。

大量失点 〜変化しない選手たち〜

1試合目はUE LA SALLE GIRONAというスペインのチーム。昨日同様フィジカル的にも圧倒されます。前半は相手のプレッシャーからミスを連発し、まったく攻撃につながりません。
どうしてもボールを持った時にプレスを受けると、ボールを奪われるのを恐れて適当にボールを離してしまいます。
前半に大量失点し、昨日と同じ展開に。
しかし、ここまで失点したらもう怖いものはありません。失うことを恐れずにボールを大事にしながら数回チャンスを作り、決定機を迎えてそのままゴール!
と思ったらその前の相手の反則を取られてフリーキックに。審判が流してくれたらという場面でしたが、残念ながら幻のゴールに。
この試合も20点代を叩き込まれ惨敗。

他のチームと比較するとかなりレベルは落ちますが、スペインまできたのですから『何か収穫』を得なければ意味がありません。

戦うこと 〜スタートラインにすら立っていない〜

2試合目。昨日大敗したマンレサと互角に戦っていたオーストラリアのチームSUTHERAND SHARKS FC。苦戦するのが想定されますが、びびってはいけません。
当然学年が上ということもありますが、『勝負の世界』です。相手の方が大きくてもひるまずにプレーすることが重要です。

立ち上がり、1試合目の教訓を生かして落ち着いてボールを運び、少しテンポが出てきました。しかし、先制点を食らうと立て続けに失点。1試合目と同じ流れです。

やはり、選手を見ているとどうしても『戦う』ことができていない。

少しでも気を抜いたり、遅れたらやられるという感覚に対応できていません。イメージとしては「自分が抜かれてもカバーがいる」、もしくは「頑張ったけどしょうがない」というスタンスです。
一球入魂ではないですが、1回1回のプレーに全精力を注がなくてはなりません。『戦い』なので一瞬気を抜いたらやられます。
相当なプレッシャーの中で技術的ミスを減らし、集中力を高め、相手に隙を与えないというプレーは前半の途中まで皆無でした。
サッカー選手としては、戦術云々の前に、戦うスタートラインにすら立っていないということです。

数名の選手に変化が

失点を重ねるたびに、選手一人一人に厳しくコーチングしました。
「自分のエリアやマークする相手は自分一人で止めろ」、「自分が抜かれたら全て失点に繋がると思え」、「少しでも体を離したらシュートを打たれるので寄せてついていけ」。

選手たちは試合の中で『少しでも全力を出さなかったらやられる』のを感じていましたから、その意味がよく分かったと思います。

そしてその中でも数名の選手に変化が出てきました。集中力を高め、相手に食らいついてゆく、何がなんでも止める、という姿勢は、この1試合で選手を大きく成長させました。

なんとか1点を…

そして前半終わり際に、ロングボールから相手のミスが出てそれを押し込み大会初ゴールをユウタロウが決めてくれました。
みんなでなんとか奪った1点。
選手たちの嬉しそうな顔は少しづつ「戦う選手」の表情になってきたような気がしました。

しかし、後半もなかなかチャンスが作れず大敗。

予選リーグ3試合を通じて全て20点代の失点。そのような経験は今までないでしょうから世界のレベルの高さ、彼らが戦ってきた福岡市の南区リーグとはまったく違う次元のサッカーに選手はどう感じたのでしょうか?

しかしこれは『慣れ』の問題もあります。つまり「環境」です。

日本に帰ったらやらなければならないことは多々ありますが、それはとりあえず置いておいて、なんとか大会で良いプレーができるよう準備をしたいと思います。

子供の順応は早いですね。昨日対戦したチームの選手とすっかり友達に。

試合を見ながら一生懸命応援していました。何でも自分たちの試合も応援してくれていたとのこと。

スペインに来て、サッカー面、それ以外の面でも選手は成長しています。

明日こそ勝利を… ¡ Animo !

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この記事を書いた人

□スペインサッカー指導者ライセンス レベル1
□選手歴 筑陽学園サッカー部卒
□指導歴
2007-現在 レアッシ福岡FCジュニア,ジュニアユーススタッフ
2009-12 FCバルセロナ オフィシャルスクール福岡校コーチ
2015-2016 スペインバルセロナ在住
2015-16 UE CORNELLA Juvenil B 研修(バルセロナ)

サッカーコーチが学べる情報サイト『ジュニアサッカー大学』を運営