サッカーを始めて学年が上がってくると「トレセン」という言葉を耳にする機会が、選手や保護者の方々も増えてくると思います。
我々の地域では現在、U-11(小学5年生)の南区トレセンの選考会が行なわれているところです。
選手・保護者の方々が気になる「トレセン」について、クラブの考え方を述べたいと思います。
トレセンとは?
「トレセン」とは「ナショナルトレーニングセンター制度」の略で、我々クラブチームや少年団、日本国内の『公式に登録しているチーム』が所属するJFA(公益財団法人 日本サッカー協会)が行っている選手の発掘・育成のためのプログラムです。
福岡市の場合、区選抜が最初にあり、その次が福岡支部選抜、福岡県選抜、九州選抜のように階層的な構造です。
つまり、選手は最初に区の選抜に合格したら次に福岡市の選抜、それに合格したら県選抜のようになっています。その最終系が日本代表で、「日本代表U-〇〇」などはその年代の「日本国内の代表につながる」というものです。
(年齢によっては日本代表まではない年代もあります。)
当然仕組みを知れば、高いレベルを目指す選手にとっては是非チャレンジしたいものだと思います。
レアッシの例で言うと、だいたい毎年最低でも区選抜に数名、支部選抜に数名、過去では福岡県トレセンやナショナルトレセン(九州選抜)まで選ばれた選手もいます。
どうやったらトレセンに受かるか? トレセンの評価基準とは?
これは誰もが知りたいところだと思いますが、僕らが答えることはできません。それは秘密というわけではなく、基準がよく分からないからです。
トレセンのスタッフをしている方は『こういう基準で選んでいます』と言えるかもしれませんが、トレセンスタッフをやっていない僕らとしては「どういう選手が受かるか」は正直分かりません。
以前、とある保護者の方(レアッシではないチームの方)から「トレセンの評価基準を明確にしてほしい」という話を聞きましたが、それはそれで難しいかもしれません。
リフティングを何回できたらとか、50mを何秒で走ったらとか、数値化できない部分が多いので、トレセンに受かるための方法や練習は存在しないというのが正直な所です。
ただ1つ言えるのは、どのクラブもおそらくそうだと思いますが、「クラブの評価とトレセンの評価は異なる」ことではないでしょうか。
レアッシの評価とトレセンの評価の違い
一番デリケートな問題かもしれませんが、レアッシとトレセンの評価基準が違うのは事実です。
クラブとしては「トレセンに受かって頑張ってほしい」と思いますが、トレセンでの評価がそのままクラブの評価になることはありません。逆もまた然りです。
過去の例でいうと、ナショナルトレセンに合格した選手はものすごく高い技術やスピードを持っていて今でもJリーグの下部組織で頑張っていますが、反対にレアッシではこの選手は素晴らしいと思っていてもまず最初の南区選抜に落ちた選手もいます。
現在レアッシのジュニアユース(中学生)はセレクション(内部外部を問わず入団テスト)を行っていますが、全くトレセンには入っていないのに高評価を受ける選手もいれば、その反対のケースもあります。
レアッシにはレアッシの、トレセンにはトレセンの評価基準がありますので、トレセンに合格した選手はそれを自信としてさらに頑張ってくれれば、落ちた選手もそれを悔しさに頑張ってくれればと思います。
チームからの推薦
指導者間では賛否両論あるトレセン制度ですが、トレセンを行うので数名を「推薦してください」というのが一番困ります。
ジュニアユースでは「2~3名の推薦できる選手を出してください」という制限があったりするので、非常に困ってしまいます。
中学生年代ではあまり「トレセンにこだわらない」傾向が強いですが、ジュニア(小学生)ではやはりトレセンを受けたいものです。
但し、あくまでもチームを代表していくわけですから、幾つかの「トレセンに推薦する基準」をクラブでも設けています。
①「トレセンが行われる段階でファーストチームに所属していること」
ジュニアの場合、まずは南区選抜へのチャレンジなので、クラブ内の競争の中でファーストチームでプレーしていることです。
②「クラブの練習にきちんと参加していること」
あくまでクラブの推薦なので、クラブの週三回の練習にきちんと参加している選手を推薦するということは、皆さんご理解し易いと思います。
③「トレセンの活動を優先すること」
これはトレセン側の条件ですが、トレセンに合格した場合(それが南区選抜であっても)、以後トレセンの練習会や試合などにはクラブの活動より優先的にトレセンの活動に参加しなければなりません。
例えば大事な公式戦の前日にクラブの練習があっても、トレセンの活動を重なった場合はトレセンを優先しなければなりません。それが可能なこと。
ジュニアの場合、このような感じでトレセンに推薦しています。
チャレンジした選手が少しでも上のトレセンに受かるように応援していますし、落ちた選手も気にする必要はありません。
どうしても一喜一憂しますが、長いサッカー人生の糧となってくれれば良いですね。