海外の指導者ライセンス ~指導者ライセンスレベル2とは~

カタルーニャサッカー協会のレベル2について今回はお話します。

(僕が通っていたSant Ignasiという学校)

まずこのレベル2を持つとどこまでのチームを見ることができるか。

カタルーニャ州限定ではありますが育成年代のほぼ全てのカテゴリー(ユースの1部・2部以外)、またアマチュアに当たるチーム(実質5部~8部)を第1監督として率いることが出来ます。

日本でいうところのA級ライセンスです。しかし日本のA級ライセンスはJFAのHPによると前期・中期・後期で6日間ずつの計18日間で取得できるのに対し、カタルーニャサッカー協会公認のレベル2は約半年間で取得となります。

実施する授業の科目はレベル1と同じですが中身がレベル1よりも深く掘り下げます。

技術・戦術・フィジカル・メソッド論といった興味深い教科から心理学や解剖学といった日本語でもよく分からない内容のものも多々ありました 笑

もちろん授業はカタラン語、もしくはスペイン語で行います。

さらに分析の授業もありそこでは「ロンゴマッチ」といったソフトを使い各ポジションことの分析を行いました。

例えばこの2枚の写真にはCBの仕事の1つであるGKがボールを保持した際に幅をとりGKからのスローインを受けプレーしやすくすると書かれています。

これに相当する試合の1部分を見つけては切り取りの繰り返しです。

各ポジションで複数のアクションがあるのですが、CBだけでみても合計33個のアクションがありました。資料はこの教科だけで231ページとボリューム満点です 笑

とても専門的ではありますがかなり深かったと思います。

また別の教科ではチーム単位での分析もしました。

僕のグループでやったのはスペイン1部に所属していたLas Palmasのスタッフと仮定して次の対戦相手であったReal Madridとどう戦うかを分析し発表しました。

直近の試合だった Real Madrid 対 Sevilla と前回の Las Parmas 対 Real Madridの2試合を分析し注意する点や要注意選手をピックアップして最後全員の前でプレゼンします。

これはC.ロナウドの個人の焦点を当てた分析です。

今思えばもっと良いものを出来たのでは?と思いますがこの当時はこの辺が限界だったんだと思います 笑

また、もちろんですが各教科でテストがあり、テストに受からないと再試があります。それに落ちると再々試、それにも落ちるといよいよ落第となりそのクールでのレベル2の取得は出来なくなります。

こういった練習メニューを作り提出するといった課題もレベル1に比べると多かったように思えます。

日本人は基本的に真面目に課題や試験に取り組むので落第はなかなかいませんが、再試ならクラスの約半数がなっていたような気がします。

そしてレベル1同様に現場での実習を行う必要があります。レベル1の現場を変える必要はないのでここでチーム探しに苦戦することはなかったです。

僕はSant Joan Despiというチームで実習を行いました。練習は月・水の2日間、また途中からもうひとチームのアシスタントに入ったため金曜日も練習となりました。

学校に行きながら実習を行うのは決して楽とは言い難かったですが良い経験になったのは間違いありません。

基本的な1週間のスケジュールは

月 午前 学校 9:00~14:00 午後 実習 17:45~21:00

火 午前 学校 9:00~14:00 午後 他チームの練習見学

水 午前 学校 9:00~14:00 午後 実習 17:45~21:00

木 午前 学校 9:00~14:00 午後 他チームの練習見学

金 午前 学校 9:00~14:00 午後 実習 19:30~21:00

土 午前 試合 午後 他会場で試合観戦

日 午前 試合 午後 他会場で試合観戦

大体ですが大まかな1週間の流れはこんな感じです。

僕が第1監督として持っていたBenjamin(U-10)は週に練習が2回、Infantil(U-14)は週に練習が3回でしたので2日午後がフリーになります。

そこの時間を使って他チームの練習を見に行ったりしていました。

(ユース2部に所属しているGeneの練習場)

(MICの時にTRMをしたSant Gabrielのグラウンド)

土日は自分の試合が終わった後にどこかしらグラウンドへ行けば試合がやっていますので困ることはありません。

サッカー文化が染みついているなと感じました。

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