皆さんこんばんは。ディレクターのKazuです。
今回はU-10(小学4年生)の年代で身につけておきたい戦術の一つ『身体の向き』について、実際の試合の動画をピックアップしたいと思います。
今回も『戦術』についての話ですが、どうしても「戦術」というと「チームの決まりごとや、小学生には必要ないもの」と捉える傾向もあります。
前回は「相手のMFとDFのライン間でパスを受けるサポート(ポジショニング)」に関係することで動画を上げました。
(前回の記事はこちら)
ライン間でパスを受けることにより相手を超え、またサイドで2対1の数的優位を作る現象です。
しかし今回は「”個人”レベルで小学4年生が身につけておきたい戦術」です。
どうしてもドリブルなどの「テクニック」を重視したくなる年代ですが、それと同じくらい重要な戦術です。
『パスを受ける際に身体の向きを整える』ということは相手のゴールに向かって、もしくは「敵や味方の位置が分かるようにその方向に身体の向きを作る」というものですが、いくつかポイントがあります。
まずは解説(ストップ)なしの動画です。
画面の下から上へ攻めているのがレアッシです。今回はFWの選手。
左サイドでボールを奪われたり奪ったりの切り替えが連続しています。
その後味方がボールを奪った瞬間に離れてパスコースを作り、身体の向きを作っています。
そしてパスが来るとそのままコントロールしてゴールに向かいます。
シュートは決まりませんでしたがここでは大きく戦術的な3つの要素があります。
次は同じ動画ですが動きに印とコメントをつけています。
(スペイン語ですいません。次回からは可能な限り日本語で表記します)
(見にくい場合は下記の解説を見て上の動画を見ていただければと思います)
動画が途中でストップしますが、味方が奪った瞬間に赤丸で囲まれた選手は素早く反応してパスコースを確保し、身体の向きを可能な限り相手ゴールへ向けています。
そしてこれもまた重要な概念ですが「コントロールオリエンタード」(次のプレーに有利になるようにボールをコントロールすること)で前方へボールをコントロールします。
もう一つ重要なのが「相手のラインを超える」という概念です。
前回の動画ではこちらのMFが相手のMFのラインを超えてパスを受けることにより前進しようとしています。
今回はFWが相手の守備ラインを超えた位置でパスを受けるとオフサイドですのでライン上に立ちながらコントロールで超えています。
要約すると3つの要素、
①パスを受ける前に身体の向きを作ること
②コントロールオリエンタードという戦術的要素を含んだテクニックアクション
③前進するために「相手を超える」という概念
重要なのは『サポートして何を考えるか』、『身体の向きを作って何を見るか』『何を考えるか』という細かなキーファクターだと思います。
どうしても『身体の向き!』と選手に言うと「それが目的化する」ことがあります。
そうではなく、「ある目的」を達成するための手段として「身体の向きを作る」必要があるわけです。
つまり選手は「身体の向きを作って何を見て何を考えるか」を知っている必要があり、その蓄積が選手の戦術的な知識の蓄積につながるのではないかと思います。
勿論、この動画でも改善点は多々あり、違う視点から見ることもできますが、レアッシのU-10(小学4年生)が現在取り組んでいることのいくつかをご紹介しました。