間違いなく言えるのは、選手のレベルによりますが『早く始めた方が良い』ということです。
これは、どういうことかと言うと、サッカーとはとても複雑なもしくは複合的なスポーツですから、様々な側面において「早く始めた方が良い」と言うことが多々あるということです。
サッカーというスポーツは技術(ボールを扱うテクニック)の習得に時間がかかる他、現代では「戦術的な(頭を使う)要素」も必要不可欠です。
日本の高校生年代で行われる戦術がスペインの小学生高学年だったり中学生年代と同じくらいというのが通常なケースならそれだけ「世界と差が開いている」のは仕方がないかもしれません。
戦術は中学・高校生から学べば良いという間違い
小学生の頃はとにかくテクニック(ボールを扱う技術)を磨き、その後「中学生や高校生になって戦術を学べば良い」という考えがいまだにありますが、それはとても時間を無駄にしています。
特に小学生でもすでに高いレベルのテクニックを取得している場合は、早く「そのテクニックを戦術の中で発揮すること」が必要です。
もうすでに高いレベルのテクニックを持っているわけですから、その年齢に応じた戦術を理解する必要があります。
何となく『感覚』でプレーするのではなく、サッカーの原理原則を理解しながらサッカーを学ぶ必要があります。
これだけのテクニックを持っているのに戦術的なことを知らない
レアッシでは、スペイン・バルセロナ(戦術的なレベルが高い)でのコーチライセンスを持った指導者が4名いますが、そこで話に上がることの一つに「個人のテクニックレベルと戦術レベルの差」というものがあります。
どういうことかというと、「日本人はとても高いテクニックがあるのに戦術レベルがとても低い」ということです。
つまり「それだけのテクニックがあればそれなりに戦術レベルも高いのが当然なのですが、極端に低い」。
未だに日本人が「スペインサッカーに通用しない理由」ではないかと思います。
つまり、日本で「テクニックがある選手に対してそれ相当のレベルの戦術が要求されない」こと。
福岡のジュニア年代の選手を見ても、「せっかくテクニックレベルが高いのにサッカーを理解していない」と感じることは多々あります。
一人で打開する「爆発的な個人の能力」があるのに、「戦術を理解していない=サッカーを知らない」というのはとてももったい無いことです。
正直、それでは「将来の夢がヨーロッパで活躍すること」と言っても、難しいのは理解しやすいことです。
人数を数える
以前、イタリアのセリアAで活躍した長友選手。
日本人としてはとても嬉しいことです。しかし考えなければならないのは、セリエAで活躍しているイタリア人はとても多いということです。
日本を代表する選手が一人イタリアで活躍している。セリアAでレギュラーをとっているイタリア人でもイタリア代表に入るのが難しい。
圧倒的に差があるのは歴然ではないでしょうか?
以前、日本代表でも『海外組・国内組』という表現がありましたが、ブラジルでの『海外組は4,000人』ほどいるとか。(すいません、うる覚えなので確かな数字ではありません)
日本人のポテンシャルは高い!
小学生年代の日本人の選手はとてもポテンシャルが高く、その年代では海外の選手と比較しても引けを取らないとよく言われていました。
では、その後何が差を開かせているのか。
僕が思うには、『上手い選手(テクニックレベルが高い)が、そのレベル相当の戦術的な指導を受けていない』ことも一つの原因かと思います。
『小学生に戦術は必要か?』『個の育成』という議論がすでに古いものなのかもしれません。