自立はトレーニングが必要 〜U-12熊本八代遠征 試合以外の時間編〜

以前コラムの中で、
良いサッカー選手になるために 〜重要な要素『自立』はトレーニングしなければならない〜
ということを書きました。

そのためには、日々の練習や試合、遠征などを通じて「様々な仕掛け」が必要です。

僕の場合「ほったらかしているように見えて、こと細かく選手を観察している」というやり方ですが、その方法は人それぞれです。

7/27土〜28日曜日の2日間、熊本県の八代氏で行われたエスペランサ熊本主催のフェスティバルに参加しました。
今回の遠征では1stチーム11名、2ndチーム10名の21名2チームで、2日間で12試合をこなしました。

このような遠征はサッカー以外の面でも選手を成長させます。
特にレアッシの場合、保護者の方のお手伝いは一切ありませんので、宿泊先でも『自分たちのことは自分たちで行う』、試合会場でも『全て自分たち』で行います。

クラブのバスに揺られて2時間ちょっと。(写真を撮ろうとすると寝たふりをしてましたね。)

この中でもバスを運転しながら選手を観察します。
誰と誰がよく話すのか。誰がルールを意識しているのか。

試合会場に着くと自分たちだけで荷物を運び、テントを立てて準備をします。
(その時もよく見ています。)
率先してやるのは誰か。気配りができるのは誰か。

そして試合。
オフザピッチ(ピッチ外)の部分がサッカーでもやはり出ますね。
もちろん、それに当てはまらない選手もいますが。

試合が終わり宿泊先へ。
宿泊先でのルールを事前に伝え、そこからはほとんど自分たちで行います。
コーチの仕事は「少し助ける」程度です。

この日はチェックイン、風呂を済ませながら近くのコインランドリーへ。
各グループから数名が代表で洗濯に行きます。
洗濯し忘れて、次の日に汚れたソックスを使用しなければならなくなってもそれは「個人の責任」です。
ここでは「コーチが先に手を差し伸べること」はありません。

洗濯の間、時間があったので近くで見つけた『足湯』でしばしリラックス。

グループの代表者が各部屋へ洗濯物を持って行って各自で干します。

その後夕食。

コーチに食事のマナーを注意されながらもワイワイと。

その後は自由時間。
その前に、消灯時間、明日の起床時間と出発までの流れ、説明を受けた後は旅館のマナーを守って自由時間です。

『自由にできる』分だけ『責任』があります。
小学生のレベルに適した「自由と責任」を与えて『自分たちで考えて行動する時間』を『自分たちで律します』。

この日の消灯は22:30。自分たちで布団を準備して明日の準備をして寝ます。

(消灯時間を守らなかったらペナルティですが、ほとんどいつも問題ありません)

翌日の朝も自分たちで起床し試合の準備。
食事と出発時間が決まっているので『自分たちで布団の片付けや準備する時間を計算』して「自主的に行動」します。

コーチからは出発時間や荷物のまとめ方などの指示はありますが、全て自分で行う。
話を聞いてなかったりすれば自分の責任です。


そして2日目の会場に向かい試合。


ここでもコーチと選手しかいません。


試合の合間は自分たちの時間。

試合に勝って喜んで、負けて悔しがる。

様々な経験を通じて選手は成長して行きます。
そしてその成長は非常にゆっくりしたものです。

ついつい「目の前の小さな問題を避けるために手を差し伸べそうになります」が、「自立のため」には「大人が我慢すること」がポイントです。

「失敗をさせない」のではなく「失敗させる中で学ばせる」。気落ちの余裕がなければいけませんね。

僕は「ついつい選手がこける前に手を出してこけないようにしたくなる」のですが「こける経験をすればその後自分でこけないように考えます」。
そこに『失敗を経験させるために我慢する作業」が必要になります。

今回の遠征でも全てを自分たちで行い、真剣な試合をこなしました。選手はこの2日間という短い時間でも、しっかりと成長していることと思います。

 

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この記事を書いた人

□スペインサッカー指導者ライセンス レベル1
□選手歴 筑陽学園サッカー部卒
□指導歴
2007-現在 レアッシ福岡FCジュニア,ジュニアユーススタッフ
2009-12 FCバルセロナ オフィシャルスクール福岡校コーチ
2015-2016 スペインバルセロナ在住
2015-16 UE CORNELLA Juvenil B 研修(バルセロナ)

サッカーコーチが学べる情報サイト『ジュニアサッカー大学』を運営