「コーチの意図を汲んで話そうとするな。自分の意見を述べてくれ。それを聞きたいんだ」
これは先日のジュニアユース(中学生年代)の練習で選手に実際に言った言葉です。
その時私は選手のプレーから意図を感じたのですが、あえて「今のは何も考えてなかっただろ?」と聞いたのです。すると選手は「はい、何も考えていませんでした」と答えたので冒頭の言葉を伝えました。
すると選手は「~だったから・・・しようと思っていました」と答えてくれました。
以前から【選手に考えさせるために質問をする】というやり方は日本サッカー界において浸透してきていると思います。しかしその使い方を間違えると選手の成長のためにはなりません。
指導者が意図を持ちすぎて誘導が強すぎると選手は自分の意見ではなく”監督が求めること”を探すようになってしまうのです。
あとは意見を言うのではなく「ハイ」という同意を求めるような接し方をすると、とりあえず返事をする選手になってしまいます。
我々は時に意図を持ちながらでも、彼らが何を本当に考えていたのかを知ろうとしなくてはいけません。
従順な選手の方がもしかしたら監督としては扱いやすいのかもしれませんが、自分の意見を監督に言わない選手・言わせない(言えない)環境は選手を大きく成長させるものとはいえないでしょう。
私自身もそれを意識して、練習では選手のプレーの意図を実際のプレーから想像したり、それを確認するために選手に質問をします。
時にいじわるに見えるかもしれませんが、選手が意図したであろう事と逆の事を質問するようにします。それは選手が自分の意見をしっかり言えるような状況(監督との関係性や本人のメンタルなど)かどうかを確認するためです。
私たちはサッカーを通じてしか選手たちとは接することができません。ですのでその間だけでも彼らが自分の意図を持ち、それをしっかりと伝えられるようになってほしいと思っています。
そういった人材がこれからの社会では必要になってくると思いますし、選手として成長するのもそういった人間性を持った選手だと思います。これからも私たちはインタビューやコーチたちとのやり取りを通じてそういった部分にも刺激を与えられるように進んでいこうと思います!