「テクニックレベルは高いが戦術理解能力は…」
「何も考えずにプレーしている…」
「テクニックを状況に応じて発揮できていない…」
これらは、海外の指導者が日本人の選手に対して持つよくある印象です。
なぜこのようになるかというと、育成年代においてテクニック練習の割合が多く、小学生年代からきちんとした戦術指導が行われていないのも大きな要因の一つかと思います。
「低学年生(小学1〜3年生)は戦術なんて早い」はナンセンス
小学生の時には戦術は必要がないと言われていた20年以上前、その頃に比べれば小学生年代でも戦術指導が行われるようになりましたが、それでもまだまだ低学年生には必要ない、まずはテクニック、遊ばせておくだけで十分だという考えが地域のクラブに残っているのは事実だと思います。
もしかしたら、指導者側が戦術を上手く教えることができないというケースもあるかもしれません。
コーチの指摘(ジャッジ)を選手が理解しているか!?
「戦術練習」というと難しいもの、という印象があるかもしれませんが、何か複雑な、もしくは選手を型にはめてしまうものという間違ったイメージを持つ人もいますが、そうではなく「選手がより良いプレーを行うために知っておくべき原理原則」ということもできます。
また、厳しい表現ですが、戦術の指導内容で「指導者のレベルが分かる」ということもあります。
戦術指導を行う時に、選手がよく分かっていないケース、コーチになんで叱られたかもしくは褒められたかを分かっていないケースも多々あります。コーチがジャッジする基準がわかりにくい時は、実はコーチ自身がよく分かっていないケースもあります。
先月行った低学年生対象のクリニックの例
先月、福岡市博多区にあるフットサルコート・ペナスタにて黒沼コーチと2人で、小学生低学年生(1〜3年生)を対象としたサッカークリニックを行いました。
「スペイン流サッカー教室」と題して、個サルで集まった一般の小学生1〜3年生の選手に対して約1時間ほど指導を行いました。(動画付きの詳細はこちら)
終了後、参加者のある保護者の方から「とても分かりやすかった」という声を頂けたのはとても良かったです。その方曰く、「どうしてもミスをテクニックのレベルのせいにしてしまうが、そうやって低学年生でも考えさせながらプレーさせることは新鮮だった」と言われました。
僕らが行った練習の1つに「2対1の場面でどのように前進するか」というテーマのものがありました。
いつドリブルをしていつドリブルしないか、サポートする選手のポジションの高さはどこで決めるかなど、選手にとって分かりやすい基準を設けて、低学年生の戦術理解を促しました。
小学2、3年生という低い年代の選手に何を考えさせながらプレーさせるのか、次回は図解入りで解説したいと思います。