浸透しつつある「パスサッカー」という言葉
近年のFCバルセロナの躍進で日本においてもパスを繋いで攻撃しようというチームが様々なカテゴリーで増えてきているのではないでしょうか
また、それと同時にそういったサッカーを「パスサッカー」という言葉で定義されることも多いと思います
スペイン人と日本人の違い
私はバルセロナに指導者留学をしていた4年間で1シーズン半をアシスタントコーチとして、2シーズンを監督として過ごしました
そこで担当したスペイン人の多くは「試合に少しでも長く出たい」「もっとボールに触りたい」という欲求の塊のような選手たちでした
そんな選手たちだからこそ、パスの意識やチームのためにプレーする意識を持たせる事に本当に苦労しました
その点で見ると日本の選手たちはどうでしょうか
幼い頃から学校や幼稚園で仲間との協調性を求められている影響かパスを教えると私が担当したスペイン人と比べるとかなり早く適応してくれます
しかし、逆に「オレがどんどん突破してやるからパスよこせ!」という我の強い選手は少なく感じます
日本人に向いている指導
そういった民族的(?)文化的(?)な背景が違う選手たちだからこそ、選手たちへのアプローチは異なると思うのです
もし我の強い選手が少ないのならば、そういった部分を刺激するようなアプローチをすべきなのではないでしょうか
パスサッカーと言われるものを低年齢から導入してしまうと日本人の特性からチームをプレーで引っ張る選手は発掘できないかもしれません
もちろんパスを教えながらそういった部分を刺激することも可能だと思いますが、簡単ではないと思います
選手を伸ばすためのポイント
先述したことにも繋がるのですが、選手を伸ばすためのポイントは選手の意識が向いていない部分を刺激する事です
具体的に言うと、ドリブルにばかり意識が向いている選手にはパスの意識を、パスばかりに意識が向いている選手には自分で仕掛ける意識を持たせることです
決してドリブルばかり、パスばかりになってはいけません
これは私と練習しているU10の選手やジュニアユースの選手に実践しています
選手にとっては得意でないことを求められて苦しい時期もあるでしょう
しかしパスしかできない・ドリブルばかりの選手では本当に必要な時に適切な判断を伴ったプレーをすることはできないと思います
FCバルセロナの選手は自分で仕掛けることができるけど、状況に応じてパスの方が有効だと判断してパスをしているのです
しかし表面だけを見て、パスばかりをすると考えてしまうと日本人の気質的に仕掛けない選手が生まれてしまうのではないでしょうか
パスのできる選手が仕掛ける事を求められ、相手とぶつかりながらでも突破するシチュエーションで逃げなければさらにタフで戦える選手になると考えます
そういった思考を持ちながらこれからも選手と接していこうと思います