「休養は練習と同じくらい重要だが、日本ではまだその理解が不足しているように思う。練習不足と練習過多は同じレベルでダメなのだ」J2 東京ヴェルディ監督ロティーナ
あなたの子どもは週に5日や6日もサッカーを<習いに>行っていませんか?
超回復の原理を知れば「練習過多は成長を阻害する」という事がわかる
我々指導者の役割の1つに【選手を成長させる】ということがあります
その為に練習や試合の中で戦術・技術的なコーチングの他に叱咤激励を通じて選手の100%ではなく、『101%』を引き出そうと試みます
だから選手達は心身共に疲弊し、コンディションは一時的に低下します
そこでしっかりと休養と栄養をとることで回復し、以前より成長するという<超回復>という現象が起こります
しかし、その疲れている状態で再びトレーニングするとコンディションは下降を続けプレーの質は低下し、最悪の場合は怪我をします
「サッカーを上手くなる為にチームの練習がない日にはスクールなどに通って練習しよう」という向上心がプレーの質を下げたり怪我の原因になるという逆効果になってしまうのです
だからこそ週に5日・6日とサッカーをする事は成長には繋がりませんし、7日やるなんて怪我をする為にやっているといっても過言ではないのです。
チームの練習には心身ともにフレッシュな状態でのぞむ事が成長には必要
ましてやチームの練習前に練習してくるの なんていうのはもってのほかです(公園などで1人で行う自主練習などは除く)
人間の集中力は長時間続きませんし、体力だって無限ではありません
つまりその選手は集中とスタミナが切れた状態でトレーニングすることになります
そんな状態の選手がトレーニングで良いプレーをし、成長する事ができるのでしょうか
その答えは火を見るよりも明らかでしょう
大人の役割は練習量を促すことではなく、調整することである
例外として大人がいない自由な状況で遊びとしてサッカーをする分には問題ないと思います
なぜなら子ども達だけで遊ぶだけなら疲れたら休むなど自分のペースでやれるのでメンタル的・フィジカル的な負荷は低いからです
もしかしたら選手達は年齢が低ければ低いほど様々な負荷を意識しないので「サッカー上手くなりたいから練習したい」と言うかもしれません
しかし選手が怪我をしたりメンタル的な疲労から体調を崩してからでは遅いのです
我々、指導者も含む大人達が子どもの頃に実体験した【量と時間が膨大な練習が選手を成長させる】という誤ったイメージを払拭しなければならないのです
だからこそ彼らの周囲にいる大人達がそれを理解した上で【サッカーを習いにいく時間を調整する】必要があるのではないでしょうか
1人でも多くの選手がケガが原因でサッカーから離れたり、燃え尽きて辞めずに生涯スポーツとして楽しんでくれる事を心から願ってコラムを終わりにしたいと思います