選手自ら考えるプレー!? 状況判断、ノーコーチングについて

10年くらい前にすごく悩んで考えていたことを、改めて考え直す「機会」があったので少し書いてみたいと思います。

サッカーとは状況判断のスポーツ

そう言われてかなりの年月が経ちますが、コーチがあれこれ指示せずに『選手に考えさせる』というフレーズが昔言われてました。
確かにサッカーは「刻一刻と変化する状況の中で『選手自ら判断して決定』を下す」ことはとても本質的です。
選手はコーチの指示通りに動くことを「機械的」と表現され、ボトムアップ理論が正しいとかノーコーチングで選手自身に判断させることが重要だ、という話が未だに出てくるのが不思議です。
コーチが細かく指示すると選手がパニックになるとか、自身の判断を奪ってしまうとか、分かるようでよく分からない議論は、『サッカーにおける状況判断とは何か?』ということが理解できていない時に起こります。

選手が自分で考えて判断したプレーを尊重する

『サッカーは状況判断のスポーツだから選手が自ら考えて判断したプレーを尊重する』
ということについて皆さんはどのように考えるでしょうか?
コーチは試合中にコーチングせずに選手の判断を尊重する。それは選手が自ら考えて下した結果だからそれは正しい。ミスがあってもそれを繰り返しながら成長してゆく。

その通りだ!と思う方は結構いるかもしれません。

では、例として試合中に選手が…..
「クロスが上がりシュートを打てば得点できたのに、バックパスをしてしまった」
「サイドバックがパスコースがなかったのでフリーなのにタッチラインへ蹴りだした」
「2対1の守備が不利な場面で、遅らせることなくボールホルダーに強引にボールを奪いに行った」
全て選手が自ら判断してプレーをしましたが、これはどうなのでしょうか?

三角形の内角の和が180度になるのを考えてみよう!

小学生にそれを考えさせたらそれぞれ答えが変わるかもしれません。
「僕は100度だと思います!」
「僕は360度です!」

「自分で考えて出した答えなら、それを尊重するよ」

そもそも答えが出るのかどうか分かりませんが…

自分で考えて!

以前あるジュニアの試合で見たコントのような場面ですが、試合中にキーパーがボールを持った時にコーチが、
「今どうなってる? どうしたらいい?」
キーパーがボールを蹴ると…..
「違う!そうじゃない!」

他の場面では
「周りをよく見て、自分で考えて!」
「違う!そうじゃない!」

ここまでくると完全にコントです。選手に考えさせてプレーさせようとしているのに、あるプレーをやったら「違う!」と叱られる。
これは完全にコーチが本で読んだ「選手に考えさせることが大事だ」ということの本質を理解せずにやってみたパターンです。

そしてここで疑問が湧きます。

『選手が自ら考えてプレーするとはどういうことか?』『選手に考えさせるとはどういうことか?』

これは『状況判断とは何か?』という問題とつながります。

つづく…

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この記事を書いた人

□スペインサッカー指導者ライセンス レベル1
□選手歴 筑陽学園サッカー部卒
□指導歴
2007-現在 レアッシ福岡FCジュニア,ジュニアユーススタッフ
2009-12 FCバルセロナ オフィシャルスクール福岡校コーチ
2015-2016 スペインバルセロナ在住
2015-16 UE CORNELLA Juvenil B 研修(バルセロナ)

サッカーコーチが学べる情報サイト『ジュニアサッカー大学』を運営