4年に一度のサッカーワールドカップ。
サッカーファンのみならず日本代表に少しでも関心がある人は楽しみにしているはずです。
日本代表は前監督の大会直前の解任劇など不安な要素がありますが、どんな結果が出るか楽しみです。
今回は選手・保護者の皆さんとはちょっと違った視点、地域の街クラブの指導者という視点でワールドカップというものを考えて見たいと思います。
JFAが管轄する日本代表はみんなの血税
例えばレアッシに限らず、JFA(公益財団法人日本サッカー協会)に登録しているクラブは協会へ登録料を毎年支払います。そして日本国内の公式戦に出場する選手たちも登録料を毎年支払います。
また、指導者ライセンスの更新や審判資格の更新にも更新料を支払います。
例えば指導者としての「C級ライセンス」を保持していると「リフレッシュポイント」というものを取得しないと「資格が失効」します。そのリフレッシュポイントは40ポイントで、「この講習会に参加したら5ポイント」などがあり、それを4年間のうちに40ポイントを取得しなければなりません。講習会は「有料」ですが必ず取得しないと更新ができなくなってしまいます。
審判も同様で、例えば「3級審判員」の場合、年に1回必ず有料の講習会に参加して「資格を継続」できます。
これはクラブチームのみならず、少年団や部活でも同様です。
つまり育成年代のすべてのチーム、選手はJFA(公益財団法人日本サッカー協会)に様々な形でお金を払っています。
そしてとても不思議なことですが、公式戦で使用するチームのユニフォームにスポンサーロゴを入れた場合、1社につき1万円/年間を協会に支払わなければなりません。
自チームを応援してくれるスポンサーのロゴをユニフォームに入れて公式戦でそのユニフォームを使用する場合、なぜか協会に支払わなければなりません(笑)
協会の仕事を少年団やクラブチームスタッフが行う
これもまた、保護者の方はほとんど知らない、そして関係者でも疑問を持っていない方がいますが、地域の協会の仕事を少年団やクラブのスタッフが行なっているということです。
例えば協会から「年間を通したリーグ戦を実施しなさい」というものが来ます。これはトレセンなどでも同じで「協会から各都道府県、その下の市や地域の団体」に指示が落ちて来ます。
そしてそれを実行するのは「協会の人」ではなく、チームを運営・指導しているコーチがその仕事をします。
「リーグ戦を実施」の場合、自分のチームを持っている方が運営を行い、参加者でグランドの確保や試合に日程調整、審判の派遣などを行います。
僕が一番不思議なのは「トレセン」です。
例えば日本代表の監督のように「自分のチームを持たず」「協会のスタッフとして働いている方が各チームの試合を見にいって選手をピックアップする」という流れなら「代表」と同じ仕組みです。
でもそうではなく、地域で自分のチームを指導しているスタッフが「協会側のスタッフとして選考する」。
先の試合の運営と同じく、「協会の方が協会特有の仕事を行っていて、それに対して登録料を支払う」なら納得ですが、「協会に登録料を支払って、その仕事を支払った方が行う」という仕組みに違和感を感じます。
スペインの場合、年間の試合日程や審判派遣などは「全て協会がオーガナイズ」して、クラブ側は「チーム内部に目を向けること」だけです。
協会関係ないしに練習試合やカップ戦を行うのは各チームで企画・運営すれば良いですが、協会が主催する大会に参加者が参加費を払った上に仕事をするということです。
日本のサッカー人気は代表戦による
勿論日本サッカー界を牽引するのJFA(公益財団法人日本サッカー協会)だと思いますが、その中でも特に重要な要素としてあげられるのが『サッカー人気』です。
指導方法や育成メソッドなどは僕は協会に頼るのはどうかと思いますが、地域の町クラブに大きく関わる問題としては「日本国内におけるサッカー人気の向上」です。
そして視聴率や関心度ともに「日本のサッカー人気」を高めるためには「日本代表」の活躍が必須です。
地域によっては地元のサッカー人気を地元のJリーグクラブに頼ることができない(もしくはクラブがない)地域では「日本代表」の活躍がサッカー人口の増加=クラブの会員数の増加に影響します。
このような問題意識が、各地域の現場で働くコーチたちから出てくれば少しづつ「日本のサッカー」は変化してくると思います。
僕らのような小さな街クラブでも、大きな問題に対して意識を高く持つことも重要かと思います。
ということで、「ロシアW杯」日本代表はそういうものまで背負っているという覚悟で頑張って欲しいと思います。