これから海外で「サッカーの指導者ライセンス」を取得したいと思っている方、もしくは「日本のライセンスと海外では何が違うの？」と思っている方に、僕が取得した「スペイン・カタルーニャ州」の「コーチライセンス・レベル１」の話を踏まえて、海外と日本の「ライセンス」の違いを簡単に説明したいと思います。
日本のS級ライセンスは海外で使えない
いきなり厳しい現実ですが、実は日本のS級ライセンスは海外では使えません。
日本のプロクラブで働けるライセンスも、ヨーロッパで監督をするライセンスには値しないというのが現状です。
車の運転免許のように国内で取得したライセンスがそのまま海外で使えるなら良いのですが、現況はそのような仕組みにはなっていません。
勿論、今後様々な各国間、世界規模でのライセンスの互換性というかレベルを合わせることはあるかもしれませんが、様々な問題から「日本のライセンス＝海外でも使える」というのはハードルが高いのではないでしょうか。
海外でも使える最高位のライセンスは『UEFAプロ』ですが、どの国でどのようにという話は、時代によって変わったりしますのでここでは省略します。
僕も留学前には、スペイン・カタルーニャで取得したライセンスがそのまま『UEFA』に変更できる時代だったのですが、直前にFIFAの通達？か何かで書き換えができなくなりました。
スペインで取得する場合など、僕らは「外国人」なのでスペイン人が取得するのとは事情が違ったり、手続きの問題など、複雑なので省略します。
世界のトップを行く! スペイン・カタルーニャとは
海外でコーチングライセンスを取得したいと思った時に、南米、ヨーロッパ、アジア、様々な国や地域がありますが、僕は『選手の育成』に力があり、なおかつヨーロッパの中でも国、クラブとして結果を出しているスペイン・バルセロナに興味を持ちました。
『育成大国』で、日本とは全く違う環境にある国で学ぶことは、今後のレベルアップを考えても非常に重要だと思えました。
現在でも多くのタレントを輩出しているスペイン。
ライセンスがどこでも使える云々よりも、サッカー先進国で行われている研究や議論、育成現場でのリアルな出来事。
何を求めるかによっても『海外でサッカーのコーチライセンスを取得」する意味は変わってきます。
僕は結果的に、スペイン・カタルーニャでライセンスを取得して良かったと思います。当然、自分がどこを目指すかによりますが。
日本のB級に相当するが授業時間は日本の3倍以上！
日本のB級ライセンスの取得にはJFAのHPによると「専門科目として前期と後期を合わせて、実技：44.5時間、18.5時間、合計63時間。これに共通科目がEラーニングで受講する時間を含めます。
※Eラーニングの時間はよくわかりません。
日本では「前期6日間、後期6日間、＋Eラーニングの受講」という形式です。
これに対してスペイン・カタルーニャでのライセンスはというと…..
僕はスペイン・バルセロナにある「Sant ignasi」という学校に通いました。日本でいう「専門学校」みたいな所で、朝から昼過ぎまで授業があります。
9月に入学し、12月までみっちり授業と試験がありますので約3ヶ月間通わないといけません。
レベル1、スペインの初級のライセンス（モニトールというライセンスが最下位ありますが、あまり基準にならないので省略）を取得するのに、３ヶ月学校に通うというボリュームです。合計すると実技・講義だけで400時間弱程度です。
朝の8:30から実技か講義の授業があり、13:30~14:00頃に終わります。それが平日5日間。一日合計5~6時間程度×3ヶ月です。
（戦術の授業はハイレベル 〜スペイン コーチングライセンス学校の内容〜）
更にクラブで研修を行うことが必須
上記の授業時間の他に、３ヶ月の間、どこでも良いので「クラブで研修」を行う必要があります。
生徒は自分でクラブを見つけ、そこでメインコーチなりアシスタントなり、分析なり、どこかのクラブできちんとやっています、という証明書を学校に提出しなければなりません。
僕の場合は、コルネジャというクラブで研修を行いました。コルネジャというクラブその地域の3,4番手のクラブで、日本人なら誰でも知っているバルサやエスパニョールともやりあうクラブです。そこのフベニールB(高校2~3年生)というカテゴリーで研修を行なっていました。
フベニールは週に4回練習しますので、学校に通っている間の1週間の流れは、
月：8:30-13:30頃(学校)・16:30~18:00(研修)
火：8:30-13:30頃(学校)・16:30~18:00(研修)
水：8:30-13:30頃(学校)・16:30~18:00(研修)
木：8:30-13:30頃(学校)・オフ
金：8:30-13:30頃(学校)・16:30~18:00(研修)
土日のどちらかは試合
といったスケジュールで３ヶ月が過ぎて行きます。
このスケジュールを見ると、日本のライセンスとは『時間的にも大きな差』があります。
