今回はいわゆる「運動神経」とは具体的にどのようなものか?
について述べたいと思います。
「サッカー少年・少女」を子に持つ保護者の方には「自分の子どもの運動神経」というのは気になるところだと思います。
「運動神経」とは何なのか?
サッカーに関連させて分かりやすく解説します。
専門的には「コーディネーション」という能力
「運動神経」や「運動能力」などいろんな表現がされますが、実際に運動神経という神経があるわけではなく、スポーツの専門的な用語ではそれらを「コーディネーション能力」と呼んでいます。
本屋に行くと書籍がいっぱいあるので一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
「コーディネーション」という概念は20世紀半ばに旧ソ連で提唱され、東ドイツで研究・トレーニングが開発されました。
「コーディネーション」には「7つの能力」が設定され、それぞれが定義されています。
また、「サッカーのコーディネーション」は11個と提唱している人もいますが、ここでは「一般的」に言われている「7つのコーディネーション能力」について言及します。
専門的に詳しく話して行くと難しくなってしまうので、サッカーを例に分かりやすく解説します。
(子どもの運動神経って?)
7つのコーディネーション能力
①「バランス能力」(動きのバランス)
読んで字の如く、身体がバランスをとる能力。
②「反応能力」(リアクション)
何らかのアクションに対して反応する能力。キーパーがシュートに対して素早く反応する、何らかの合図に対して素早く動作を行うとイメージしてもらえば良いかと思います。
③「リズム能力」(動きのリズム)
これも読んだ通りですがリズム感。但し、サッカーではジャンプしてからヘディングする時のタイミングや歩幅を合わせたりなどが挙げられます。
④「変換能力」(動きの切替)
状況の変化に対して素早く動作を切り替える能力。ドリブルして相手を抜こうとして敵が付いてきた時にとっさに方向を転換したりする感じです。
⑤「連結能力」(動きの同調)
いろんな動きを連動して行う能力。走りながらボールをコントロールしたり蹴ったりなど。
⑥「定位能力」(位置関係)
ボールとの距離感を測ったり、フィールドの中で自分のいる位置を認識する能力。ポジションが分からなくなってしまうのはこの能力です。
⑦「識別応力」(操作性)
ボールを足で扱うことがこれに含まれます。テニスで言えばラケットでボールを打つ、この時ラケットを操作してボールに当てます。球技では特に必要な能力です。
ざっと、サッカーに例えて「7つのコーディネーション能力」を説明しました。
基本的には、「身体をどのように動かせるか」といった時に分類すると7つの能力があり、それが全てのスポーツに共通する基礎的な能力と理解すれば良いと思います。
おそらく、保護者の方の中には「走るスピード」や「体力」が入っていないと感じる方もいるかと思います。
ここに挙げた能力は「神経系」に関連する「全ての運動の基礎」になる能力のことです。
スピードや持久力、筋力などはまた別の話になります。
また、「神経系の発達は10〜12歳頃に成人の90%が完成する」と言われてますので、幼児から小学生年代に子どもにとっては重要なことです。
また、道具を使わないスポーツなら⑦の識別能力はあまり重要ではないかもしれません。サッカーは広いグランドの中で合計22人の選手が自由に動き回り、慣れない足でボールを扱い、走ったり止まったり方向を変えたりなど、7つのコーディネーション能力全てが必要となるスポーツになります。