子どもは褒めて伸ばす!?というのは嘘…..か?

子どもは褒めて伸ばすのか?厳しくしつけるのか?
またコーチと選手の関係はどのようなものが適切か?親子の関係はどのようなものが適切か?

小学生年代のサッカー少年少女、思春期を迎える中学生年代、大人に一段と近づく高校生年代、サッカーの指導者として現場に立つと選手とどのような関係を保つか、ということもコーチの重要な役割です。

子どもは褒めて伸ばせ!というのは嘘か?

子どもの成長を考えた時に、いろんな考え方があります。僕が一番に考えるのはサッカーと同様に、「バランス」に気をつけるということです。

選手のタイプや年齢、レベル、置かれてる状況によって様々な方法を使い分けます。そういう意味では、「子どもは褒めて伸ばす」と言った時に、それは正しいのだけれどそれだけで全てが解決するのではない、時には厳しく叱る必要もある、というのが僕の持論です。

巷に出ている書籍や考え方は、極端な方が売れるので「これが唯一の方法です」と宣伝するのが良いかもしれません。しかし、現実はそう簡単なものではなく、サッカーでも子どものしつけでも「とても難しく複雑で、唯一の方法で簡単に解決できるものではない」と思います。

サッカーと同じで極端な思考にならないこと

パスサッカーかドリブルサッカーか、テクニックか戦術か、個人か組織か、などの議論には何の意味もありません。サッカーは複雑なスポーツで全てが必要な要素なので、どれかに特化するというのは本質から離れていきます。テクニックが不足していたらテクニックを、戦術的に動けなければ戦術を、いつドリブルしていつパスをするのか、といったバランスを持った指導が大切です。

何か唯一の正しい方法があると思わないこと

これだけをやればサッカーが上手くなるという唯一の方法はありません。同じように選手を「褒めるだけ」という唯一の方法が全て正しいと考えてはいけません。逆も然りです。

僕は、ものすごく厳しく選手を叱り付けることもありますし、よく褒めることもあります。選手に意見を求めることもあれば、自分たちで考えさせることもやります。必要であれば何らかのペナルティを与えることも。何か唯一の方法があるのではなく、常に状態を見ながら手法を変える必要があります。

同じやり方を繰り返すと結局ダメになってしまう

例えばサッカーでも「ドリブルが全てだ、戦術は大人になってから」と考えるとはっきり言って将来世界では通用しません。逆も同じで、一つの方法だけが正しいと考えては思考停止して、多様化できません。

褒めて伸ばすことは悪いことではないですが、そればっかりだと社会に出て、不条理なことに我慢ができなくて挫折して終わるでしょうし、様々な、多様な刺激が起きる社会に適合することはできないと思います。

子どもは時には褒められ、時には認められ、時には不条理に怒られ、時にはトップダウンで、時にはボトムアップでと、様々な刺激を与える方が良いと僕は思います。なぜなら、最終的に彼らが生きてゆく「社会」がそういうものだからです。

レアッシでは、練習や試合時など、始まりと終わりには必ず選手一人一人と握手をします。

個人差はありますが、スタッフ一人一人に共通する点は、「選手に気に入られるためだけに行動しない」ということです。例え、選手に嫌われようとその選手が将来間違った方向に行かないように叱ることもあります。

中学生くらいになると接し方は本当に難しいですが、選手に気に入られることだけなら簡単です。思春期の選手を腫れ物に触れるみたいにして、相手の喜ぶことばかりをすれば選手に嫌われることはありません。しかし、そのような接し方は選手の将来のためにはなりません
だからコーチたちは自分たちの信念と選手の将来を考えて厳しく接することもあります。

重要なのは子どもを「たくましくて立派な、社会で活躍できるような、もしくは社会で最低限のことはできるように成長させる」ことです。サッカー面とそれ以外の面を、サッカーを通じて教育してゆく必要があります。

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この記事を書いた人

□スペインサッカー指導者ライセンス レベル1
□選手歴 筑陽学園サッカー部卒
□指導歴
2007-現在 レアッシ福岡FCジュニア,ジュニアユーススタッフ
2009-12 FCバルセロナ オフィシャルスクール福岡校コーチ
2015-2016 スペインバルセロナ在住
2015-16 UE CORNELLA Juvenil B 研修(バルセロナ)

サッカーコーチが学べる情報サイト『ジュニアサッカー大学』を運営