半分冗談で半分真面目な話ですが、日本サッカーの育成年代に見られる現象「ロングボールを放り込む」。
もちろんそれが「絶対に良いとか悪い」という話ではないですが、僕らが活動している福岡以外でも、おそらく全国各地にある現象だと思います。
ジュニアの場合、ゴールキーパーが持ったらほとんどロングボール。相手が前からプレッシングではめようとしていなくてもロングボール。
ジュニユースでもロングボール。結構なCalidad(選手個人の能力)を持っているのにも関わらずビルドアップを捨て蹴り込む。
ユース年代(高校サッカー)でも基本はロングボール。競り合いとセカンドを拾うためのインテンシティの高さで主導権を掴む。
大学サッカーでもロングボール。
ロングボールを蹴り込むことが悪いことではないですが、大事なのは『いつロングを使っていつショートでビルドアップするのか?』という判断がなされていないように感じます。
勿論それもサッカーなので『良い悪い』ということはないですが、一番不思議なのが…
「日本人が世界の中で特に競り合いに強いイメージがない」
ということです。
これだけ小学生から大学生まで「ロングボールを蹴り込むサッカー」をやっているにもかかわらず、「日本代表のストロングポイントがそうではない」という現状。
昔のイングランドのように国内のプロレベルのサッカーがそれで、代表レベルでもそれが強みになっているなら良いですが、そうとは思えない現状。
『大人のサッカーと育成年代のサッカーとは異なるもの』なのか、それとも同じものなのか。
これはロングボールに限らず、他の多くの点でも同じことが言えます。
僕は「大人のサッカー(=プロ)のサッカーのフラクタルな関係が育成年代のサッカー」だと考えてますが、どうでしょうか?
「審判にアピールしてはいけない」「負けたら罰走させられる」「無駄に多い試合後のベンチ挨拶」「高校のインターハイのような真夏の連戦」「小学生の週5日の練習」。
「今まで当たり前のように考えられてきたこと」に疑問を呈すと「浮いた存在」になります。
このような問題に関して、僕なんかではなくてもっと権威のある方に言って欲しいのですが、少ないのですかね。
育成年代の指導に携わっているとこのような「変化しない現状」に危機感を覚えますが、それを変えるのは「若い世代の指導者」かもしれません。
僕と同じくらいの世代でも「過去の悪しき習慣にどっぷり使ってしまっている指導者」はたくさんいます。
やっぱりこれからの「若い指導者に期待」するしかないですね。