サッカーがどうやったら上手くなるのか?
試合で、もしくは日々の練習で本当に上手くなっているのか?
魔法のトレーニングはありませんが、僕が担当しているU-10(小学4年生)年代でも常に意識していることがあります。それは「サッカーはチームとしてトレーニングすることで上達する」というものです。
これはヨーロッパでも散々言われていますが、「プレーモデル」や「サッカーはサッカーをすることで上手くなる」といったことにつながります。
もちろん低い年代だと個人に特化したトレーニングを行うことも重要ですが、ある程度ボール扱いに慣れている選手は「チームとしてトレーニング」する必要があります。
「上手い選手になればなるほどチームとして練習することで成長」するというのは、素晴らしいサッカー選手を排出し続けるサッカー先進国では当たり前のことではないでしょうか。
例えばトレセン制度。
「日本固有」のこの制度のメリットはありますが、デメリットに感じる(もしくは意味が無いように感じる)部分も多々あります。
トレセンに選ばれることで自信をつけたり、もっと頑張らなくては、というメンタル面で成長は期待できますが、チームとしてのプレーモデルがないトレーニングだったり、月に一度などのトレーニングや試合で選手が成長することは難しいかと思います。
普段は一緒にチームとしてトレーニングしていない選手が集まって試合を行っても、その1回の試合での選手の成長はないでしょう。選抜チームの試合では、経験を積めるかもしれないという期待はありますが、その試合を通じて選手が成長することはほとんどありません。
以前、依頼を受けて小学生を対象に「スペイン流サッカー教室」を行ったことがあります。
(ペナスタで行われたサッカー教室の詳細はこちら)
終了後、保護者の方から「初めてこのような練習をした」「わかりやすく教えて頂いて良かった」という声をたくさん頂きましたが、選手が新たな視点でサッカーを知るという意味では意義のあるものでした。
しかし、この1回の練習で「選手に刺激を与える」ことができても、この「1回の練習で上手くなる」ことはありません。
練習とは「継続して行っていくこと」が必要なのです。
トレセンに限らず、普段は一緒に練習を行っていない選手が集まって試合を行う場合、『試合での成長』は数段低いものになります。
チームとしての戦い方をトレーニングする時間がありませんし、結果「個人の能力を発揮しにくいもの」になってしまいますね。
これはプロの世界での「国の代表でのプレーとクラブでのプレー」のような関係かもしれません。
今や「各国の代表のサッカーの質よりも、各国の優勝争いをする「クラブのサッカーの質」の方が高い場合が多いと感じます。
これは当然で、年間を通じて同じコンセプトのもと日々トレーニングを行いながらプロリーグを戦っている「クラブ」と、一緒に練習できる時間が少ない「代表」では、サッカーの質が異なるのは当然かもしれませんね。