ジュニア年代から戦術と技術を同時に伸ばすことの重要性
僕らコーチ陣がスペイン・バルセロナに留学して痛感した『日本とヨーロッパの戦術レベルの差』は、特にジュニア年代からの日々のトレーニングの積み上げの差だと認識しています。
ドリブルの練習1つとっても、そこには『いつどのようなドリブルをするのか』といった状況判断をともなったトレーニングをするのか、それとも状況判断を求めず効果的なドリブルの方法やパスとの優先順位といったサッカーの原理原則を教えずにプレーすることは、中期・長期的に見た時に選手の成長に大きな差が生まれます。
なぜならサッカー選手として高いレベルを目指すには『戦術メモリーの蓄積』が必須だからです。
実際にバルセロナのジュニア年代の練習を見ると、レベルの違いはあれ『戦術的な要素を含んだトレーニング』がおこなわれています。
そしてボール扱いが上手い選手ほど、低い年代のうちから戦術的な判断とともに、得意のドリブルやパスといったテクニックスキルを発揮しています。
日本人のポテンシャルが低いわけではない
なぜこれほどのサッカー人口がいながら、まだまだ海外で活躍できる選手が少ないのか?
それは決して日本人のポテンシャルが低いわけではなく、育成のあり方、つまりジュニア年代からのトレーニング方法の差が世界との差を生んでいると僕らは認識しています。
これはスペインに留学したからこそ痛感できた事で、肌でそれを感じた経験はとても大きいものです。
当然、日本とスペインの文化・国民性など違いはありますが、良い部分は真似して日本に適応する形で取り込む必要があります。
その必要性を感じて、6月よりジュニア年代でも徹底したトレーニング方法に舵を切りました。
>>育成コース・ジュニア部門を改革【コンセプチュアル・フットボール】スタイル確立へ向けて
指導のポイントはプレーコンセプト
プレーコンセプトとは「いつ、どのようにプレーするのか?」といったサッカーを子どもたちが学ぶための重要なポイントです。
いくつか例を挙げてみます。
・ビルドアップの時、いつどのようにドリブルするのか?
・中盤の選手は、センターバックがドリブルした時にどのようにサポートを行うのか?
・身体の向きを作ってサポートするだけでなく、考えておかなければいけないことは何か?
・逆サイドの選手はどんな予測を立て、いつどこに動き出すのか?
他にもたくさんありますが、サッカーの理屈は子どもたちが早い段階から学べば学ぶほど、後に大きな差となって現れます。
このような指導の差が、現在日本と世界との差だと僕たちは考えています。
戦術を学ぶともっとドリブルが上手くなる
もしかしたら一見矛盾するように感じるかもしれませんが、ドリブルが上手い選手が戦術を学ぶともっとドリブルが上手くなります。
これは1つの例ですが、他にも守備が上手い選手が戦術を学ぶことでもっと守備が良くなります。
他にも、よく声を出す選手が戦術を学ぶと指示が的確になります。
しかし、このようにレベルアップするためには『サッカーを理解することが重要』です。
つまりあらゆる状況の変化に応じた『プレーコンセプト』を日々の練習で積み上げることが必須です。
世界のサッカーは加速的に進化している事実
本気で世界との差を埋めるなら、サッカー界は加速的に進化していることに目を向ける必要があります。
僕自身、バルセロナ留学中には『日本のサッカーは世界へ追いつくどころか、ますます離されている』と感じました。
これは海外に指導者留学した方のほとんどが感じる部分ではないでしょうか。
そしてその進化に伴い、育成年代でも変化のスピードは速いです。
そのためには、ジュニア年代に関わる僕ら指導者が、日々最新の情報に触れ、アップデートしていく必要があります。
レアッシ福岡FCは更なる進化を追求
レアッシ福岡FCは、過去のクラブがそうだったように、これからも常に新しいことにチャレンジし進化していきます。
目指すは設立当初の『日本一の街クラブ』ですが、基準は世界です。
日本の中の全国を基準にするのではなく、世界に目を向けることが重要です。
そしてレアッシ福岡FCのメソッドも常に進化していきます。