今週末、僕が担当しているU-11・1stチームは福岡支部の2部リーグで「わかば」と「東月隈」という強豪と対戦します。なぜ今週末の試合がとても難しいかは後述します。
今週、僕はとても緊張感をもって過ごしています。先週雨で中止になったジャクパ戦、結果はどうであれこの試合で次のステップを、もしくは優位性を得たかったのですが延期になったため、先週の3回の練習の成果を試せませんでした。
そして今週末は異なるスタイルのチームとの対戦です。この2チームを前にした時に、今週は練習メニューをどのように組むのかがとても難しく、モチーベーションをどうするのかが課題となりました。
技術的なことを習得させるのが狙いの時はある程度同じメニューをこなすこともあるのですが、基本的には1日のメニューの構成は変えます。
下の写真は昨日水曜日の練習メニューです。いつもその日の練習メニューは手書して練習に持って行きます。すごく雑なスケッチですが、細かなキーファクターや注意点は頭の中に入っています。また、裏面にもいろいろ記載しています。
選手は「練習を通じて学び」ます。U-11・1stチーム、今日は新しいことを学びました。攻守の切り替え時(Transición A-D)におけるPresión y Repliegue(プレスとレプリエゲ)。週末の対戦相手との試合を想定した時にレプリエゲする必要があるかもしれないと想定し、それがどのような概念かを知ってもらうために25分ほど練習しました。もしかしたら必要ないかもしれない、しかし、その可能性は潰さなくてはなりません。
練習が終わって、ジュニアユースの後藤コーチと相談。相手の攻撃ポイントはこうなのでレプリエゲする必要があるかもしれない、いやそれよりもディフェンスラインを下げた後に誰が何をするか、など戦術についてあれこれ話をしました。それにより土曜日の試合の要点が大まかまとまりました。
そして、練習が終わればデータ化して行きます。写真は昨年ものですが、日々の練習メニューをデータとして残していくことで振り返り、翌シーズンに向けた参考データになります。基本的にはどのクラブでも練習メニューは残していると思いますが、それをデータ化し、どう使うかということについては難しさがあるかもしれません。
「練習は週末の試合に向けたもの」で、対戦相手が異なるから、それを攻略しようとする中で新しい知識を選手は学びます。それが選手の戦術メモリーとなって蓄積されます。そうすることで少年たちはサッカー選手になって行くのです。余談ですが、パスサッカーやドリブルサッカーなどは存在しません。同じようなことをひたすら繰り返してもクリエイティブな選手は生まれません。選手たちはその年代で習得すべきテクニックや戦術、規律も含めて学んでいく必要があるからです。
『なぜ今週は非常に難しいのか』
今週末のゲームの難しさに、それは土日でタイプの異なる2チームと対戦しなければならないというものがあります。
『練習』とは次の対戦相手に対してどのように戦うかということも含めて行うのですが、週末に2試合となるとその「対策」も絞れずに難しくなってきます。選手が学ぶべきことがぼやけてきます。
世界のプロリーグが基本的に週一回の試合に対して、日本の育成年代はなぜ週末にたくさんの試合をこなすのか?ということは疑問ですが、今までの日本サッカーの歴史上、それを変えるのは簡単ではないのはよくわかっています。しかし週に1試合の公式戦(年齢、アマ・プロを問わず)を行うことの重要性は認識していますが、それはまだまだ普及していません。
2部リーグの他のチームは試合数を消化しているのに対して、レアッシが少ないのは、「公式戦」は週に1試合だけが望ましいと思っているからです。なぜなら1週間という短い時間の中でその日の練習の目的が明確になり、少ない練習時間の中で最大限に選手を伸ばすのに効果的だからです。
何故今週末の試合が難しいかというという、前述したように2つの対戦相手の特徴が違うからです。ジュニア、ジュニアユース年代の選手の理解や成長のキャパは多くはありません。しかし今の日本のオーガナイズの現状を考えると仕方ありません。日本の指導者はみんな苦労して試合を組んでいるので、自分たちはこうしたい、というわがままは通用しません。
しかし、重要なのは『選手の成長』です。指導者の苦労を軽減することは「選手の成長」より優先的な課題ではありません。本当に日本の育成年代の環境は『プレイヤーズファースト』になっているのでしょうか。